大学全入時代を迎えて、大学側は一般入試の前に質の良い学生を確保するために、推薦入試枠(総合型選抜・学校推薦型選抜)を拡大しています。早慶上智などの難関大学は、その傾向が顕著であり、近年では半数以上の推薦合格者を出しています。

平成元年(1989年)バブル期の日本経済は、株式時価総額ランキングにおいて世界上位50社のうち32社は日本企業でした。それが30年あまりの間にトヨタ自動車1社だけになってしまっています。この間、グローバル化が急速に進展するとともにインターネットの普及による情報化社会が到来し、その関連の企業が大きな影響力を持つにいたりました。この社会の大きな変化に対応するために「教育」の変化が急務であるという声が政財界から上がり、2020年度からの高大接続改革が実施されました。高大接続改革とは、高校・大学入試・大学の3つを一体化した教育改革です。高校や大学の教育だけでなく、接続部分の大学入試も変化が求められました。従来のような知識偏重型の大学入試では、変化が激しい予測不能な未来に対応できるチェンジメーカーを育成できません。では、どんな大学入試が求められるのか、が議論されました。世の中に出ても活用できる知識、未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力を持って、「自分はこれを学びたい」という意欲をもった学生を育てていく必要が強く求められます。こうして、大学入試制度は3つのスタイルに再編されました。

①一般選抜(旧一般入試)②学校推薦型選抜(旧指定校推薦・公募推薦)③総合型選抜(旧AO入試)です。この3つの入学選抜の割合は2000年からの約20年間で大きく変化をしており、私立大学は一般選抜で進学する人は半分以下となっています。国公立大学は現在一般選抜の割合が高いですが、今後は学校推薦型や総合型の選抜の割合が高まっていくとされています。入試の変化の中で最も注目されるのは、アメリカをはじめとする海外の大学ではごく一般的な「総合型選抜」です。日本では1990年慶應義塾大学の総合政策学部と環境情報学部が新キャンパスの開校と同時に採用されました。大学のアドミッションポリシーが明示され、その大学の考え方に共感し「この大学でこれについて学び、この問題を解決したい」「この知識と技術を活用して何か新しいものを生み出したい」といった人が目指す、新しい入試が誕生しました。星の杜中学校・高等学校は、この総合型選抜に注目。高校卒業時に、共通テストレベルの問題には十分対応できる基礎学力を身につけた上で、「自分はこれを学びたい」という明確な意思を持ち、未知の社会で新たな価値を生み出すチェンジメーカーが巣立っていって欲しいです。

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